体内時計って?

体内時計は、地球の自転と同じ約24時間周期で変動します。生理現象の調節機構で生まれながらに備わっています。
朝になると自然に目が覚め、夜になると眠くなるのは体内時計の働きによるものです。
体内時計は身体のすべての細胞に備わっていますが、その司令塔といえる働きをしているのは脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という部分です。
内臓の働きと体内時計

内臓は、体内時計の影響で、時間帯によって活動が活発になる時間帯と、最小減になる時間帯があることが分かっています。
肝臓(午前中)
有毒物を解毒したり、脂肪分解や栄養素の代謝を担う臓器。早朝に働き始め、お昼ごろにピークを迎える。
膵臓(午前)
主に血糖値をコントロールする臓器。昼間は夜間に比べ糖質の同化にかかわるインスリンというホルモンを盛んに分泌する。
腎臓(午前)
血液を濾過して老廃物や塩分を尿として排出する臓器。夜間より日中に活発に働く。
胃(深夜)
主にたんぱく質を消化する臓器。胃酸の分泌は深夜に最も活発になる。
病気になりやすい時間帯がある?

体内時計は病気の発症にも大きな影響を与えており、病気によってなりやすい「魔の時間帯」があることがわかっています。もちろん、必ずその時間帯に発症するわけではありません。あくまでも「目安」として頭に入れておくと良いでしょう。
急性心筋梗塞
血圧は目が覚めた時に急上昇するので午前中は心筋梗塞が発症しやすい

脳血栓
血液は明け方に固まりやすく、血液を溶かす働きも低下することから、脳血栓は早朝に起こりやすい。

胃潰瘍
胃酸の分泌が活発になる深夜にかけては、胃が荒れたりただれたりしやすくなる。

次回は体内時計の乱れから起こる体調不良とそれを防ぐカギについてお伝えします。